大きいむし歯でも神経を取らずに済む治療のポイント

大きなむし歯があっても、神経を取らずに済む治療が可能な場合があります。

このブログでは、大きなむし歯を作らずに、歯の神経を守るためのポイントを紹介します。

虫歯治療

 

むし歯の早期治療と予防の重要性を理解し、正しいケア方法を実践することで、むし歯の進行を抑えて神経を守ることができます。

むし歯の原因と進行メカニズム

むし歯は、むし歯菌が歯の表面に付着し、代謝(栄養を食べて排出物を出す)によって産生する酸によってエナメル質が溶けることで進行します。

放置すると虫歯は深く進行します。表層のエナメル質を破壊し、内部の象牙質を侵してしまうと、その先は歯の神経(歯髄)に達してしまう可能性があります。神経へのダメージが進む前に、早期治療が重要です。

神経を守るための予防法

むし歯の予防には、正しい歯磨きや口腔衛生の習慣が重要です。

適切な歯ブラシを使い、歯間ブラシやフロスも活用して歯の表面や歯と歯ぐきの間の溝(歯肉溝・歯周ポケット)、および歯と歯の間の隙間のプラークを取り除きましょう。

また、栄養バランスの良い食事や砂糖の摂取量の制限も虫歯予防に効果的です。

むし歯が発生するには4つの要素が重なることが必要です。

  • 歯の存在。当たり前ですが、歯の無い人はむし歯になりません。
  • むし歯菌の存在。これはお口の中の常在菌なので、まったく無くすことは出来ませんが、プラークをきれいに落とすことによって減らすことができます。
  • 栄養。むし歯菌が代謝に利用できる栄養の存在。簡単に言えば糖です。
    砂糖はもちろんですが、甘くなくてもパンやごはん、牛乳なども糖質が含まれるのでむし歯菌の栄養になります。
  • もうひとつの要素が「時間」。上記の3要素が重なっている時間を極力短くすることがむし歯を防ぐポイントです。

むし歯を防ぐには、歯をなくすことは出来ないので、歯の表面のプラークを落とす、歯に(口の中)くっついている食べかすを速やかに除去することが大切です。

 

「食べたら磨く」これが大事。

「食事の直後は、歯の表面の酸性度が上がって傷つきやすくなるので、少し時間をおいてから歯磨きするのが正しい。」という先生もおられます。学問的にはそうなんでしょうけれど、そんなこと言ってるまに磨くのを忘れてしまうより、さっさと「食べたら磨く」これを習慣づけましょう!

大きな虫歯の治療法

大きな虫歯でも、神経を取らずに済む治療が可能な場合があります。

むし歯の治療は、基本的にむし歯に浸食された部分を完全に除去して、インレーやクラウンなどの修復物で補うか、レジンやグラスアイオノマーなどの材料で充填します。

むし歯菌は酸素がなくても増殖しますので、内部に取り残しがあると中で進行していきます。

歯髄腔までむし歯が侵入している場合は、神経を取らざるを得ないのです。

神経を取ると、治療にとても時間や手間がかかりますし、歯としては死んでしまうので、歯が脆くなって(歯の)寿命が短くなることが知られています。

また、神経の治療がきっちり行われないと、時間が経ってから、歯の根の先端に腐った膿の袋が出来てくる場合もあります。

神経を取らずに済めば、それに越したことはないのです。

そんな考えから歯の神経を温存するためのいくつかの治療法が考案されています。

昔からあるのは「サホライド(フッ化ジアンミン銀)」。いわゆる「むし歯の進行止め」と称され、今でも限定的に使用されています。むし歯が残っている歯に塗るクスリで、銀イオンにむし歯の進行を抑制する効果があるのを利用します。完全にむし歯の進行を止めることが出来るわけではなく、銀イオンのせいで塗布した歯が真っ黒になってしまう、などのデメリットがあります。

 

近年では、銅イオンの殺菌効果に着目した「ドックベストセメント」や、むし歯も細菌感染症なら抗生物質が効くのではないか、という発想で開発された「3Mix―MP法®」などがあります。

いずれもどんなひどいむし歯も治すことのできる魔法の方法ではありません。

当然ながら、どう頑張っても神経を取らざるを得ないむし歯や、あきらめて抜歯せざるを得ない場合もあるのです。

適応症をきちんと見極めるのと、習熟した術者による治療が必要です。

まとめと注意点

大きな虫歯でも神経を取らずに済む治療が可能な場合があります。

しかし、早期治療と予防の重要性を忘れてはいけません。

以下に注意点をまとめます。

定期的な歯科検診: 歯科医師が虫歯の早期発見や予防ケアのアドバイスを行ってくれます。定期的なチェックアップによって、問題を早めに発見し治療することが重要です。

正しい歯磨きと口腔ケア: 歯磨きは5~10分間を目安に、正しい技術と適切な歯ブラシを使って行いましょう。

歯と歯の間のプラークを取り除くために、歯間ブラシやフロスも併用しましょう。

健康的な食生活

砂糖や甘い飲み物の摂取量および摂取時間を制限し、栄養バランスのとれた食事を心掛けましょう。

特に、粘着性の高い食品や酸性の飲み物は歯のエナメル質に負担をかける可能性があるため、注意が必要です。

ストレス管理

ストレスは歯の健康に悪影響を与える可能性があります。ストレスを適切に管理し、リラックスする時間を作ることが大切です。

 

大きな虫歯でも神経を取らずに済む治療が可能な場合があります。

早期治療と予防の意識を持ち、定期的な歯科検診と適切な口腔ケアを行うことで、虫歯の進行を防ぎながら神経を守ることができます。

歯の健康を守るために、日常のケアを大切にしましょう。

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