がんの治療の副作用
がんの治療の副作用~がんの治療と口腔内~
がんは日本人の死因の第1位の恐ろしい病気です。その割合は年々増えていると言われています。
がんの治療をしていくうえで、口腔内にはどのような副作用があるのでしょうか。
抗がん剤治療の副作用
抗がん剤を使用することで、口腔内に様々な副作用が起きてきます。
口腔内は細菌の住みかのため、免疫力が落ちると感染しやすくなります。
代表的なものは口内炎
口内炎は、抗がん剤治療の副作用としてよく知られています。
口内炎の中には、抗がん剤が直接作用して起こる口内炎と、抗がん剤による骨髄機能抑制による免疫力低下で起こる、感染性の口内炎があります
抗がん剤の投与から一週間ほどで発症し、その後は自然と治りますが、口腔内の状況が悪く、免疫力が落ちていると、治るのが遅れる場合もあります。
虫歯や歯周病の悪化
がん治療が始まると、免疫力が低下し、体力が落ちます。
そのため、歯周病になっている人や、虫歯がある人は症状が悪化します。
抗がん剤治療を行う前には、きちんと歯科で検診を受けてから、がん治療を行うとよいでしょう。
また歯科医師には、がん治療のスケジュールをお話しして、治療計画を立ててもらいましょう。
抗がん剤の影響で味覚が変化する
抗がん剤の影響で、味覚を伝達する神経が影響を受け、味覚障害になることがあります。
味覚障害で味がしなくなると、食欲不振につながります。しかし、体力が落ちている時だからこそ、しっかりと食事をとらなければなりません。
そのため、食事の味付けを工夫するなどして、少しでも苦痛をとりのぞきましょう。
口腔内が乾燥する
抗がん剤治療により、唾液の分泌が抑制されることで、口腔内が乾燥します。
そのため、口が渇く、会話がしづらい、食事が飲み込みにくい、味覚が変化する、などの症状がでます。
症状が強い患者さんは痛みがでたりすることもあります。
また、唾液が少なくなることで、虫歯にもなりやすくなります。
顎骨壊死が起こることもあります
がん治療では、がんが転移した部分の骨を丈夫にするために、骨修飾薬という薬を使うことがあります。この薬を長期間服用すると、顎の骨が腐ってしまう顎骨壊死が起こることがあります。
また、骨がもろくなった部分に細菌が入り込んで、感染を起こすこともあります。
がん治療を進めるうえで口腔ケアは重要
先ほどもお話ししたように、お口の中は細菌の住みかです。
口腔内の清掃をしっかり行い、少しでも感染のリスクを減らしましょう。
また、虫歯や歯周病の場合は早めに治療しましょう。