警察歯科医とはどのようなもの?

ここ数年、世界各国で大きな自然災害が多発しています。

思い出したくない記憶ですが、日本でも2011年3月11日に東日本大震災が発生しました。

この震災で命を落とされた方や、現在も行方が分からない方も多くいます。

メンバーの全員が歯科医師である人気ボーカルグループ、GreeeeNのリーダーも、福島第一原子力発電所から20キロ圏内での検死作業に携わったそうです。

身元不明者はどのように特定されるのでしょうか

身元不明のままでは家族の元へ帰ることができません。しかし、お口の中の情報から該当者を確認する警察歯科医という役割があります。

警察歯科医とはどのようなものなのでしょうか

発足のきっかけは、昭和60年の群馬県御巣鷹山の日航機墜落事故の時に、警察歯科医の必要性が認知されたためです。

昭和61年に警察庁刑事局長より日本歯科医師会宛に、警察歯科組織についての要望文書が出され、これを契機として、全国に警察歯科医並びに警察歯科組織が誕生しました。

事件や、事故、災害などで亡くなった遺体のお口の中の状態や歯の型などから、身元の確認を行う歯科医師のことを警察歯科医といいます。

全国でも歯科医師会を中心として、警察歯科医会とよばれる組織ができ、歯科医師が専門の研修を受けて警察歯科医となります。

どうしてお口の中だけで身元の確認ができるの?

 

みなさんのお口を見ていただくとわかるように、人の歯や歯列の状態などは一人ひとり違います。また、人間の歯はとっても固い構造のため、亡くなってから時間がたっても、そのままの状態を保っていることが多くあります。

そのため、歯科治療の経歴やレントゲン写真、カルテの記録などを照らし合わせて身元を確認します。

警察歯科医の業務は身元確認作業

警察歯科医の主な業務は身元確認作業です。

警察歯科医は、その方が生前どのような治療をしていたか、お口の中の観察、歯列の形、歯科の記録などを照らし合わせて身元確認に役立てています。

歯のすりへり方などから、その人の癖や年齢の推測、顎や歯の形から男女どちらかの推測、残存歯などの治療の形跡から、年齢層を推測するなどができます。

このようにお口の中には多くの情報があります。

身元不明者が一人でも減るように、歯科がもっと役立てるようになればと思います。

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